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概要

OSJ-vol55

ス東ポー京五ツ輪ク注ラ目の3種目の掛け合わせで競う!一人で3種目を行うタフな新種目!日本勢の躍進が期待されるスポーツクライミング複合。この種目の難しさは、スピード、ボルダリング、リードという特徴の異なる3種目を、一人の選手がすべてこなす「複合競技」であること。クライミングに必要とされるあらゆる要素が詰まっているので、観る側にとってはとてもエキサイティング。しかし、選手は1日で3種目を行うため、これまで以上にフィジカル、メンタル面でのタフさが求められます。順位は3種目の掛け合わせで、ポイントが少ないほど上位になります。例えば、スピード1位、ボルダリング2位、リード3位であれば6ポイント。スピード2位、ボルダリング2位、リード2位であれば8ポイントです。掛け合わせなので、いずれかの種目で1位になれるかどうかが重要になるでしょう。写真/Ryo Yamamoto構成・文/田中瑠子イミング複合持久力が勝敗を分けるコンマ数秒を競うスプリント競技高度なテクニックで壁を攻略リード競技内容高さ12m以上、最大60手程度のコースをどこまで登ることができるかを競います。制限時間は6分間。選手はロープのつながったハーネスを装着し、途中の確保支点にロープをかけながら登っていきます。最後の支点にロープをかけると完登。長い距離を登るため、無駄な動きで体力を奪われないよう、最小限の力で効率的に登るテクニックや戦略性が必要です。ほかの選手のトライは見られませんが、あらかじめオブザベーションタイムが設けられ、コースを確認することができます。選手たちは双眼鏡を片手にホールドを一つひとつ確認し、登るイメージを組み立てていきます。順位のつけ方順位はどこまで登れたか(獲得高度)で決まります。途中で落ちてしまった場合はそこが記録となり、再トライはできません。複数の選手が完登や同じ高さまで登った場合、タイムのいい方が上位になります。壁を地上から眺めている観客は12m以上の壁がいかに高いかを実感できるため、そこを生身で登っていく選手たちのダイナミックな動きにくぎづけになるでしょう。ボルダリング競技内容高さ5m以下の壁で、最大12手程度の複数のボルダー(コース)をいくつ登れたかを競う競技。選手は、当日初めて見る壁のオブザベーションタイム(登る前に壁を観察し手順を予測する時間)を経て、競技に挑みます。競技は「4~5分間の競技」と「4~5分間の休憩」を交互に繰り返すベルトコンベア方式で行われます。ほかの選手のトライを見ることはできませんが、会場の歓声は耳に入ってきます。いかに自分のクライミングに集中できるかメンタルコントロールも重要です。ほとんど凹凸のない小さなものから両手でも抱えられない球体までさまざまなホールドがあり、どう攻略するか頭脳戦としての面白さもあります。順位のつけ方予選は5本、決勝では4本のボルダーが用意され、1ボルダーごとに予選5分、決勝4分の制限時間が設けられます。定められたスタート位置から始め、トップホールドを両手で触れれば完登です。途中で落下しても、制限時間内であれば何度でもチャレンジできますが、少ない回数で完登できた方がポイントは高く、体力面でも有利です。スピード競技内容国際規格によって設定された高さ15m、95度に前傾したスピード競技用の壁を駆け上がるスプリント競技。ロープを装着した2人の選手が同時に登りタイムを競います。大会ごとにホールドの位置が異なるほかの2種目と違い、スピードはホールドの配置が世界共通で決まっています。同じ壁を使って練習を重ねてきた選手たちの瞬発力がぶつかり合います。タイムという客観的な記録を残せるのは、3種目のうちスピードだけ。男子優勝タイムは男子では5~6秒、女子で7~8秒。フライングをすれば一発失格なので、スタートの緊張感も独特なもの。そびえ立つ壁を一気に駆け上がるあまりの速さに驚嘆すること間違いなしです。順位のつけ方予選も決勝もトーナメント制で行われ、予選では2トライのうち早い方のタイムで順位を競います。決勝は1トライのみで、順位の高い選手と低い選手が1回戦で当たるようトーナメントが組まれ、早い方が勝ち上がっていきます。OSJ freestyle express vol.55 Sports Climbing 6