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概要

OSJ-vol57

構成・文/田中瑠子2020年オリンピックイヤー到来!今こそトライアスロンを始めよう運動が苦手でも、何歳からでも、自分なりのペースで完走を目指せるのがトライアスロンの面白さ。初心者からトライアスリートへ、第一歩を踏み出す前に、知っておきたいトライアスロン基礎知識をご紹介します。教えてくれたのは…カミハギサイクル代表取締役上萩泰司さんYasushi Kamihagi愛知県内に4店舗(小牧本店、ささしま店、緑店、名城店)を持つ、スポーツバイク専門店「カミハギサイクル」の代表。1973年創業の父の店を継いで二代目。40歳からトライアスロンを始める。第一回「アイアンマン70.3セントレア・ジャパン」のミドル・ディスタンスでデビュー。その後、練習仲間を募るためにカミハギアスリートクラブを立ち上げる。トライアスリート歴9年目。トライアスロンにはどんな種類がある?トライアスロンの起源って?国際トライアスロン連合(ITU)の規格で6種類、その他の規格で3種類があります。2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、国際基準で行われた距離を「オリンピック・ディスタンス」と呼ぶようになりました。国際トライアスロン連合(ITU)の規格スイムバイクランスーパースプリント0.4km10km2.5kmスプリント・ディスタンス0.75km20km5kmオリンピック・ディスタンス1.5km40km10kmミドル・ディスタンス3km80km20kmロング・ディスタンス4km120km30kmアイアンマン・ディスタンス3.8km180km42.195kmその他の規格スイムバイクランハーフアイアンマン・ディスタンス1.9km90km21.095kmトライアスロン1013km130km30kmトライアスロンの起源は、1974年、カリフォルニア州サンディエゴで開催された「ミッションベイ・トライアスロン」に遡ります。現在とは異なった距離設定ながら、3種目を同時に行う初めてのレースでした。1977年、ハワイでアメリカ海軍の軍人たちによる「マラソン・遠泳・サイクルロードレースのどれが最も過酷か」という議論が元となり、翌1978年、同地でアイアンマン・トライアスロンが行われました。この時のレース距離(スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km)と制限時間17時間でのレースが、アイアンマン世界選手権へと発展していきます。スイム歴ゼロ。何から始めればいいの?バイクはどう選べばいいの?まず大切なのはショップ選び。バイクは購入して終わりではなく、その後のメンテナンスやバイクを身体に合わせるフィッティングなどで、お店(店員さん)との付き合いが長く続きます。自宅から通いやすいところ、相談しやすいところ、お店のスタッフにトライアスリートがいるところ、バイク練習ができる仲間がいるところ……など、自分なりに大切にしたいポイントを見つけましょう。バイクには、トライアスロンに特化した「TT(タイムトライアル)バイク」がありますが、初心者は操作しやすいロードバイクから始めるのをおすすめします。トライアスロン挑戦に向け「最大のネックがスイム」という方は多くいます。まずは正しいフォームを身につけられるよう、スクールに通うのが一番の近道。真っ新な状態から学べた方が、習得ははやいものです。トライアスロンは自然の中を長距離泳ぐため、まずは、疲れないよう力を抜いてゆったりと泳ぐ泳法を学ぶことが大事です。初心者におすすめのオリンピック・ディスタンスのスイム(1.5km)は、制限時間が50~60分。かなり余裕のある時間設定になっているので、焦る必要はありません。400m足をつかずに泳ぎ切れるようになれば、その先は、同じフォームの繰り返しで泳げるようになります。海で泳ぐのがこわいです!TTバイクとロードバイクの違いは何?TTバイクは、空気抵抗を極限まで減らし、直線をいかに速く走るかに特化したバイクです。トライアスロンでは単独走行が基本で、ドラフティング(先行する選手の後ろについて、空気抵抗を避けて走行すること)はルール違反となります。そのため、より前傾姿勢で、両ひじをDHバー(エアロバー)にセットすることで、空気抵抗を減らす設計になっています。ロードバイクはドロップハンドルなので、自分の心地いい位置に手を置くことができます。前傾姿勢に慣れていない人でもハンドル操作がしやすく、快適性が高いといえます。ロードバイクの中にも、ロングライド向きのものから、エアロ効果の高いトライアスロン向きのものまでさまざまな車種があります。お店の方に相談しながら、安心して乗れるバイクを選びましょう。TTバイクプールとの違いに焦ってパニックにならないよう、本番前に海など自然環境で泳ぐ練習ができると安心です。プールでは、目標物を見てまっすぐ泳げるよう練習するといいでしょう。トライアスロンの本番は、スイム中に選手同士がぶつかったり、蹴られたりといった接触が多く、それが焦りやこわさを感じる一因になります。スイムのスタート時に前方に並んでしまうと、前を急ぐほかの選手の勢いに圧倒されパニックになってしまうことも。完走を目指す初心者は、全員がスタートしたあとについていってもいいでしょう。また、トライアスロンはクロール以外の泳法で泳いでも問題ありません。周りに選手がいなくなったら平泳ぎに切り替えて前方を確認しながら進むなど、自分が一番ラクに進める方法で挑戦しましょう。バイクのおすすめ練習方法は?バイクの操作技術を身につけるために、外を走る練習は欠かせません。ショップで練習イベントを企画していたり、チームを持っているところもあるので、店員さんに相談してみるといいでしょう。室内でのローラー台を使ったトレーニングは、体力づくりには効果的。実走練習は天候や交通量の多さなどから満足に走れないこともあるので、室内練習を組み合わせるといいと思います。ロードバイクランのおすすめ練習方法は?一番簡単そうに思われがちなランニング。でも、ランニングこそフォームが大切です。理想は、スクールに通ってフォームを身につけてから、走る距離を伸ばしていくこと。身体への負担が大きいので、ケガせず本番を迎えるためにも、正しい走り方を習得しましょう。走ることを“習慣”にするためにおすすめなのが、ラン仲間を作ること。「〇時に公園に集合」など約束を決め、走らざるを得ない状況を自ら作るといいでしょう。OSJ freestyle express vol.57 Triathlon 6